お知らせ
ヒアリング形式の心筋保護アンケート報告および心筋保護物品一覧表の作成について
日本体外循環技術医学会 会員各位
平素よりJaSECTの活動に対してご理解ご協力を賜り感謝申し上げます。
心筋保護法にはCrystalloid Cardioplegia法、Blood Cardioplegia法、Microplegia法などが用いられています。その中で投与温度、投与経路、投与間隔、添加薬剤などを組み合わせると、多岐に渡る方法が各施設で実施されています。2~3時間程度の大動脈遮断ではどの心筋保護法を用いても安全に施行されていますが、心筋保護を適切に管理しないと予後に大きく影響します。一般社団法人日本心筋保護研究会では、『心臓外科医の心筋保護離れは不確実な心筋保護灌流や予期しない長時間心停止など想定外の事態において、心筋保護法が生死をわける事態をまねき、時に医療事故の要因となりえることに深刻な警鐘が鳴らされました。このため心臓血管外科学会等では医療安全の観点から心臓外科医に心筋保護理論の習熟が不可欠であることが再確認され昨今多くの教育講演で心筋保護が再び取り上げられる傾向にあります(一般社団法人日本心筋保護研究会理事長挨拶:https://jsmp.jp/outline)』と述べております(2024年10月25日閲覧)。この内容は医師だけでなく、心筋保護の操作を行う体外循環技士にも大きく関与するため、安全性を正しく認識し、エビデンスに基づいた使用方法が求められます。近年では、MICS(Minimally Invasive Cardiac Surgery)手術が積極的に実施されるようになり、正中切開時と比べても視野の制限や大動脈遮断の有無などの注意点が複雑化しておりさらに多様化しています。
このような背景から心筋保護部会では、会員の皆様への正しい理解と安全性強化を目的に、①各施設におけるヒアリング形式の心筋保護アンケート、②わが国で使用できる心筋保護に関連する物品一覧表、を作成いたしました。アンケートに関しては、部会員の施設に加え、代表的な心筋保護を用いている11施設を対象に、ヒアリング項目(表1)をご回答いただきましたのでご自身の施設の心筋保護法と比較しながら参考にしていただければと思います。今回の取り組みで「心筋保護法の安全管理は体外循環技士の責務である」と再認識する機会となれば幸いです。
本アンケート内容については、できるだけ生の声を共有したいことから施設固有の表現が含まれていることをご了承ください。なお、使用方法を参考にする際は、院内稟議や医師などのチームで慎重にご検討いただき適正に運用ください。安全に心筋保護が運用できるように今後も取り組んで参りたいと存じます。
【参照方法】
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理事長 安野 誠
担当副理事長 荒木 康幸
学術委員会委員長 後藤 武
心筋保護部会長 吉田 幸太郎
副部会長 中島 康佑
部会員 配野 治・畑中 晃・蜂須賀 章友・山村 晃生・吉田 譲